通信費と端末代の見直しが家計に与える影響
わが家も共働きで二人分のスマホ代が月1万6千円を超えていた時期がありました。毎月「仕方ない出費」と思い込んでいましたが、ふとしたきっかけで見直したところ、大きな節約効果が出ました。
固定費削減の重要性とは
家計の支出には「変動費」と「固定費」があります。外食やレジャーのように月ごとに変わる変動費に比べ、スマホ代や家賃、保険料などの固定費は一度決めると何年も同じ金額を支払うことが多いです。そのため、固定費を見直すことが家計改善の近道になります。
特にスマホ代は毎月の支出に直結しており、夫婦や家族全体で考えると負担が大きくなりがちです。総務省の調査でも、通信費は家計支出のなかで「光熱・水道費」に次ぐ大きな固定費となっています。つまり「一度の見直しで、その後もずっと節約が続く」性質を持っているのです。
でし、家計改善といえば何を削ると思う?
食費とか娯楽費ですか?
実は固定費、特にスマホ代を見直す方が効果的なんだ。
固定費を削減できれば、その分を投資や貯蓄にまわせるので、長期的に家計の安定につながります。
スマホ代の平均水準
MM総研の調査によれば、2025年1月時点でスマホ利用者の月額通信+通話料金平均は4,356円、その後2025年7月には4,117円まで低下しているという報告があります。MM総研
夫婦2人で同程度のプランを契約していると仮定すれば、通信+通話料金だけで月約8,000〜9,000円、年間10万〜11万円ほどかかるという見通しになります。
ただしこれに端末代の分割払いを加えると、月2,000〜3,000円、年で数万円の負担がさらに上乗せされ、通信費+端末代で年15万〜18万円を超えるケースも珍しくありません。
一方で、格安SIMをうまく使い、端末を型落ちや実用価格帯のものに抑えれば、通信+通話+端末代の合計が年7万〜8万円程度に収まることもあります。
つまり、大手+最新端末の組み合わせと比べて、年間で10万円以上の差が生まれる可能性があるのです。
大手キャリアから格安SIMに乗り換えるメリット
大手キャリアを長く使ってきた私たち夫婦も、「乗り換えは面倒そう」と思い込んで先延ばしにしていました。しかし実際に格安SIMに切り替えてみると、想像以上にシンプルで、しかも大きな節約効果を実感できました。
乗り換えでどれくらい節約できるのか
大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の通常プランでは、データ容量20GB前後で月額7,000円前後になるケースが多いです。一方、格安SIMやサブブランドを利用すれば、同じ20GBでも3,000円程度で利用できます。
2025年9月時点の代表的な料金をまとめると以下の通りです。
事業者 | データ容量 | 月額料金(税込) |
---|---|---|
ドコモ(eximo) | 20GB | 約7,315円 |
ソフトバンク(メリハリ無制限) | 実質20GB超可 | 約7,238円 |
au(使い放題MAX) | 実質20GB超可 | 約7,238円 |
ahamo | 20GB | 2,970円 |
LINEMO | 20GB | 2,728円 |
楽天モバイル | 無制限(実質20GBまで安定) | 3,278円 |
(参考:NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI、LINEMO、楽天モバイル)
この比較からも分かるように、大手キャリアと格安SIMの差額は1人あたり月4,000円前後。夫婦二人なら月8,000円、年間で約10万円近くの節約につながります。
実際に使ってみて不便はあった?
私たち夫婦もLINEMOに乗り換えて約1年が経ちます。最初は「昼休みや通勤時間帯に速度が落ちるのでは」と不安がありました。実際、正午前後は動画の読み込みが少し遅くなることもありましたが、SNSやメール、ニュースチェックには支障がありません。
休日に外出先でYouTubeを30分ほど視聴しても、画質が極端に落ちることはなく、ゲームアプリも問題なく動作しました。最初の数週間は気になる場面もありましたが、慣れてしまえば「これで半額以下なら十分」と感じています。
また、オンライン手続きも簡単で、SIMカードの差し替えから開通まで30分程度で完了しました。店舗に行く時間や待ち時間が不要だったのも助かりました。
結果的に、私たち夫婦は年間約9万6千円の節約を実現しました。浮いたお金をNISAに回せたのは、この切り替えがきっかけでした。
スマホ端末代の工夫でさらに節約
通信費を抑えられても、端末代が高額だと家計負担は大きく残ります。私たち夫婦もiPhoneの最新モデルを毎回購入していた頃は、端末代だけで20万円以上かかっていました。そこを見直したことで、節約効果がさらに大きくなったのです。
中古や型落ちモデルを活用する方法
スマホを安く手に入れる方法はいくつかありますが、大きく「中古」と「型落ち新品」の二つに分かれます。中古端末は価格が安く、状態が良ければ魅力的ですが、バッテリーや基板などの消耗具合が見えにくい点がリスクです。特に毎日使うスマホでは、バッテリー劣化がストレスになることもあります。
一方で型落ちモデルの新品は、最新機種よりも数万円安く購入できるのが魅力です。例えば、2024年秋に発売されたiPhone最新モデルが14万円台であるのに対し、1〜2年前のモデルなら10万円前後まで下がります。さらにAndroid端末なら、同じ性能帯でも5万円前後で購入できるケースも多いです。
通信事業者のオンラインショップや家電量販店では、在庫処分のセールが行われることもあり、そのタイミングで型落ちモデルを選ぶとコストを大きく下げられます。端末代を抑えた分、浮いたお金をそのまま投資に回せる点が、長期的な資産形成に直結するのです。
浮いたお金を“増やすお金”に変えるステップはこちら → 積立NISAの始め方|初心者でも簡単にできるやり方【2025年最新版】
端末代を抑えた夫婦共働き家庭の実例
私たち夫婦は以前、毎回iPhone SEを買い替えるほどの“iPhone派”でした。しかし2025年2月、Appleはエントリーモデルを「iPhone 16e」に刷新し、SE(第3世代)の販売を終了しました。16eの米国価格は税込前$599で、旧SEの$429(発売当時)より実質的に値上がりしています。日本でも99,800円〜が目安です。
この価格上昇に納得できず、私たちはついにAndroidに乗り換えました。
選んだのは1台あたり約3万円の機種で、夫婦2台で合計6万円。仮に同じタイミングを現在基準(16e)で考えると、2台で約19万9,600円になり、差額は約13万9,600円まで拡大します。※当時はSEを想定して約13万円との比較で差額7万円でしたが、現在の“16e基準”では差がさらに大きくなります。
使い始めて1年、SNS・動画視聴・ネット検索・銀行アプリは全く問題ありません。3Dゲームを重視する方には物足りない可能性がありますが、私たちの使い方では十分でした。むしろ画面が大きくなったことで、動画や読書アプリの快適さが上がったのは予想外のメリットです。
浮いたお金をNISAに回す仕組み
スマホ代や端末代の見直しで、私たち夫婦は年間で約6万円の余裕を生み出しました。このお金をそのまま生活費に使ってしまうのではなく、NISA口座に回すことで「節約がお金を増やす仕組み」に変えることができました。
少額から始められるつみたてNISA
NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得られる利益に税金がかからない仕組みです。2024年から制度が新しくなり、年間投資枠が拡大し、非課税期間も無期限となりました(金融庁:NISA特設サイト)。
特に「つみたてNISA」では、金融庁が基準を満たした投資信託にコツコツ投資できます。毎月5,000円からでも始められるので、通信費削減で浮いたお金をそのまま積み立てるのにぴったりです。
例えば夫婦でスマホ代を1万円削減できた場合、そのうち半分の5,000円を毎月投資に回せば、1年間で6万円の積立てが可能です。投資信託は長期で運用するほど複利効果が働くため、「節約→投資→将来の資産増」という流れを自然につくることができます。
小額積立てでも増える?そんな疑問はここで確認 → 月5,000円でここまで差が出る|銀行預金 vs NISA投信[5年・10年・20年の比較表]
通信費削減分を投資に充てるシミュレーション
金融庁が公開している「つみたてシミュレーション」では、毎月の積立金額と運用期間を入力することで将来の資産額を試算できます。例えば以下のケースを見てみましょう。
- 毎月の積立額:5,000円
- 運用期間:20年
- 想定利回り:年3%
この条件でシミュレーションすると、元本は120万円ですが、20年後の資産額は約163万円になります(金融庁シミュレーション)。
さらに、毎月1万円を積み立てれば元本は240万円、20年後には約326万円に増える試算です。
私たち夫婦も2024年からスマホ代節約で浮いた毎月5,000円をつみたてNISAに回し、1年で6万円を投資に追加で充てました。まだ運用期間は短いですが、節約したお金が資産として増えていくのを見ると「ただ支出を減らす」以上の満足感があります。
通信費の見直しは一度きりですが、その効果を資産形成につなげれば、長期的に家計を豊かにできるのです。
よくある質問(FAQ)
通信費の見直しやNISAへの活用は、多くの人が関心を持つテーマですが、「実際に困ることはないのか」「節約分を本当に投資に回せるのか」という疑問もよく耳にします。私たち夫婦も最初は同じ不安を抱えていました。
格安SIMのデメリットはありますか?
格安SIMの最大の不安点は「通信速度」と「サポート体制」です。大手キャリアと比べると、昼休みや通勤時間帯など利用が集中する時間に速度が落ちることがあります。ただし、LINEやSNS、メール、地図アプリなど日常的な使い方では大きな支障を感じにくいのが実際です。
サポートについては、格安SIMは基本的にオンライン対応が中心で、店舗数が少ないのも特徴です。そのため「対面で相談したい」「すぐに修理や交換をお願いしたい」という人にはやや不便かもしれません。
しかし最近では、LINEMOやahamoのように大手キャリアのサブブランドも選択肢にあり、料金を抑えつつ通信の安定性やサポート体制を確保できます。つまり「コスト重視」か「安心重視」かで、自分に合ったサービスを選べる時代になっています。
通信費の節約分を確実に投資に回すコツは?
節約して浮いたお金を「なんとなく口座に残す」だけだと、気づかないうちに別の支出に消えてしまうことがあります。私たち夫婦も最初は同じ失敗をしました。
そこで効果的だったのが「給与振込口座からNISA口座への自動積立設定」です。給与日から数日後に自動で引き落とされるようにすると、生活費に手を付ける前に投資に回せるため、確実に積み立てが続けられます。
また、「毎月いくら節約できたか」を可視化するのもおすすめです。私たちは家計簿アプリに「格安SIM効果:+8,000円」と入力することで、モチベーションを維持できました。節約と投資が数字で結びつくと、長期的な継続がぐっと楽になります。
通信費削減は単なる節約ではなく、将来の資産づくりに直結する行動です。仕組みさえ整えれば、無理なく「節約から投資」への流れを習慣化できます。
まとめ
この記事を通じてお伝えしたかったのは「スマホ代と端末代を見直すことが、家計改善と資産形成の第一歩になる」ということです。私たち夫婦も最初は「面倒そう」「大して変わらないのでは」と思っていましたが、実際に取り組むと年間6万円以上が浮き、そのままNISA投資につなげられました。
通信費・端末代を見直す価値
スマホ代は固定費の代表格です。総務省の調査によると、多くの人が1人あたり月7,000円以上を支払っていますが、格安SIMを利用すれば半分以下に抑えることが可能です。さらに端末代を型落ちモデルにするだけで、年間数万円の差が出ます。
家計簿を見直しても削れる部分が少ないと感じている人こそ、まずは通信費と端末代から検討する価値があります。私自身も「小さな工夫」で生活のゆとりが生まれ、その余裕を資産運用に回せるようになりました。
節約から投資への好循環
浮いたお金をそのまま生活費に使うのではなく、NISAに回すことで「節約がお金を増やす仕組み」に変わります。毎月5,000円の積立でも、20年後には複利の力で大きな違いを生みます。
実際に取り組んでみると、「節約=我慢」ではなく「節約=将来への投資」と考えられるようになりました。これは大きな心境の変化であり、家計管理に前向きになれた理由でもあります。
通信費の見直しは、一度取り組めばその効果が長く続きます。そして、その浮いたお金を投資に回すことが、将来の安心や夢の実現につながるのです。私たち夫婦も「学び直し」として改めて家計を点検し、この仕組みを習慣化できたことが大きな収穫でした。
投資に関する免責事項
本記事では、通信費や端末代の節約をNISA投資に活用する方法について紹介しましたが、投資には必ずリスクが伴います。ここであらためて注意点を整理しておきます。私たち夫婦も制度を理解するまでに何度も公式サイトを読み返し、やっと安心して取り組めるようになりました。
投資判断はご自身の責任で
NISAを活用することで税制上のメリットは得られますが、投資信託や株式の価格は市場の動きによって変動します。そのため、元本が保証されているわけではありません。短期間で利益を出そうと焦ると、思わぬ損失につながる可能性もあります。
金融庁や証券会社が公表している情報を確認し、自分のリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。特に投資初心者の方は、まずは少額から始めることをおすすめします(金融庁:NISA特設サイト)。
情報の正確性と将来の見通しについて
本記事の内容は執筆時点(2025年9月)の制度や料金情報に基づいています。制度改正や料金改定が行われると、内容が変わる場合があります。最新の情報は必ず金融庁や通信事業者の公式ページをご確認ください。
また、過去の運用実績やシミュレーション結果は将来を保証するものではありません。複利効果は長期で働きやすい一方、市場環境によっては期待どおりの成果が得られないこともあります。
最後に、ここで紹介した節約法や投資方法は、私たち夫婦の実体験をもとにしていますが、すべての人に当てはまるとは限りません。あくまでも一つの参考例としてご覧ください。
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