新NISAを始めてから、あっという間に1年。
最初の頃のワクワク感が薄れ、「このまま積立を続けて大丈夫?」と感じていませんか?
でも、ここにきて相場は思わぬ方向に動き始めました。
円安が止まらず、株価はバブル期以来の高値を更新。
金(ゴールド)価格まで上がり続けています。
そんなニュースを見て「このまま積立を続けて大丈夫?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
新NISAを1年続けた今だからこそ、「このままでいいのか」を立ち止まって考えるタイミング。
この記事では、これからも長期投資を続けるために見直すべき3つのポイントを整理します。
上がり続ける相場の中で生まれる不安
円安・株高・金価格の上昇──いま、日本の投資環境は“好調”といわれています。
しかし、その裏で「このまま上がり続けるわけがない」「いつか下がるのでは?」という不安を抱く人も少なくありません。
投資を始めて1年目のいまこそ、冷静にこの“上昇相場の落とし穴”を見つめ直す時期です。
円安・株高・金高騰──“上がる一方”の怖さ
2025年現在、日経平均株価はバブル期以来の高値を更新し、1ドル=150円前後の円安が続いています。
さらに金(ゴールド)の価格も連日の最高値更新──資産が増えて嬉しいはずなのに、どこか落ち着かないという人も多いでしょう。
指標 | 2024年10月頃 | 2025年10月頃 | 変化傾向 |
---|---|---|---|
日経平均株価 | 約 39,000円前後 | 約 48,000円前後 | 約 +9,000円 |
ドル/円 | 約 149円 | 約 152円 | やや円安(ドル高) |
金価格(1オンス) | 約 3,100ドル | 約 3,900ドル | 大幅上昇 |
相場が上がり続けると、「利益を確定したほうがいいのでは?」という焦りや、「まだ伸びるかも」という欲が入り混じり、判断が難しくなります。
この“上昇相場の心理的負荷”こそ、長期投資を続ける上での最大の敵です。
相場ニュースが心理を揺さぶるタイミング
テレビやSNSでは「高市バブル」「株高バブル」「金高騰」などのニュースが毎日のように流れています。
こうした言葉を耳にするたび、気持ちが揺れ動き、「今がピークなのでは?」という焦りが生まれます。
実際、多くの投資初心者がこの段階で“余計な売買”をしてしまいます。
積立投資の本質は「淡々と続けること」ですが、相場の熱気が高まるほど、冷静さを保つのは難しくなるのです。
最近、ニュースで株も金も上がってるって聞くと、私も今のままでいいのか不安になります…
それは自然な反応だよ。でも“上がっている”時ほど冷静さが大事。実はうちの姉も、似た状況でNISAを放置してたんだ。
姉の旧NISAが教えてくれた「放置の落とし穴」
新NISAが始まる前、私の姉も旧NISAで投資をしていました。
ところが、しばらく放置していた結果、思わぬ“落とし穴”に気づくことになります。
このエピソードは「放置することのリスク」と「見直すことの大切さ」を教えてくれました。
元本が倍になっていた旧NISA口座
久しぶりに口座を開いた姉が驚いたのは、元本が約2倍に増えていたことでした。
米国株中心のファンドを保有していたため、円安と株高の追い風で評価額が急上昇していたのです。
「やっぱり放置でも増えるのね」と笑っていましたが、ここに大きな落とし穴がありました。
非課税期限を知らずに放置していた
姉の旧NISAは非課税期間5年の最終年を迎えていました。
このままにしておけば、自動的に課税口座に移り、利益に約20%の税金がかかる状態に。
「そんなルール知らなかった…」と青ざめ、あわてて私に相談してきたのです。
結果的に、すべてを一度売却して新NISAに移すことになりました。
増えていたはずの利益も、タイミングによっては一部取りこぼす可能性がありました。
区分 | 旧NISA(~2023年) | 新NISA(2024年~) |
---|---|---|
非課税期間 | 一般NISAは最長5年間 | 期間の制限なし(恒久化) |
年間投資枠 | 一般NISA:120万円 つみたてNISA:40万円 | つみたて投資枠:120万円 成長投資枠:240万円(合計360万円) |
非課税期間終了後 | 課税口座に自動移管 | 非課税のまま保有継続可能 |
よくある落とし穴 | 期限切れで課税口座に移され、利益に税金が発生 | 制度変更時の移行手続きを誤ると投資枠が減ることも |
見直しポイント | 満期年を必ず確認し、売却・移管時期を把握 | 新旧NISAの投資枠を混同しない |
姉のように「NISAを始めたけど仕組みをよく理解していなかった」というケースは少なくありません。
これから始める人や見直したい人は、
積立NISAの始め方|初心者でも簡単にできるやり方【2025年最新版】
で制度の基本を押さえておくと安心です。
「放置」ではなく「管理」でリターンを守る
姉のように、「増えているから安心」と思って確認を怠るケースは少なくありません。
実際には、非課税期限・保有銘柄・信託報酬など、定期的に見直す要素がいくつもあります。
投資は「買って終わり」ではなく、「続けるために整える」もの。
この“管理の意識”こそが、長期投資の成果を守る第一歩です。
そして次に大切なのは、「何を」「どのくらい」積み立てるか、そしてその考え方をどう更新するか。
次の章では、実際に見直すべき3つのポイントを整理していきましょう。
積立額・銘柄・考え方を3方向から見直す
新NISAを1年間続けてきた人にとって、「続けること」そのものはもう難しくありません。
ただ、相場や生活環境が変化する今こそ、“その続け方が本当に今の自分に合っているか”を点検するタイミングです。
ここでは、資産を増やしながら守るために見直したい3つの視点「積立額・銘柄・考え方」を整理します。
① 積立額:年収・物価・目標のズレを点検する
新NISAを始めた頃は、「まずは月3万円から」と決めた人も多いでしょう。
2025年は物価が上がり、生活費も投資環境も変化しています。
たとえば以下のように、同じ積立額でも想定リターンによって結果は大きく変わります。
年利 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
---|---|---|---|
3% | 約420万円 | 約820万円 | 約1,270万円 |
5% | 約460万円 | 約1,230万円 | 約2,490万円 |
もし目標が「老後までに2,000万円」なら、毎月3万円では足りません。
収入や家計の余力を考慮し、
- ボーナス時に+10万円加算
- 月3万円→4万円へ引き上げ
など「積立額の再設定」を検討する時期です。
② 銘柄:円安・株高で偏りが強まっていないか
この1年間、S&P500やオルカンなど海外資産のリターンは平均+30%前後。
一方で円安(1ドル=150円前後)が利益を押し上げている面もあります。
つまり、「為替で増えた分」が大きく、実質的な成長とは限りません。
実際、あなたのポートフォリオで米国株比率が70%を超えていれば、
円高に戻った際に評価額が10~20%下落するリスクを抱えています。
具体的な見直し方法は以下のとおりです。
- 【点検】運用会社サイトで「資産構成比」をチェックする。
- 【調整】先進国株等の比率を下げ、日本株やバランス型を少し足す。
- 【維持】売らずに、積立の追加でバランスを整える。
リターンが出ているときほど、感情に流されず冷静に分散を維持する。
これが“守りながら増やす”人の共通点です。
投資信託の選び方ひとつで、将来のリターンやリスクが大きく変わります。
自分に合ったファンドを選ぶポイントは、
資産運用とは?初心者が失敗しないための基本と成功へのステップ
で詳しく解説しています。
③ 考え方:感情に左右されず“習慣で続ける”
2025年現在は「高市バブル」「金高騰」「円安地獄」など、刺激的なニュースが多い年です。
多くの人がSNSで“今売った方がいい?”と揺れ動いています。
しかし、長期投資では感情の揺れが結果的にリターンの損失につながることがあります。
感情に流されないために、次の3つのステップを意識してみてください。
- 確認日は月1回に固定(チャートを毎日見ない)
- 積立金額と期間を自動化(ルールを決めて触らない)
- 可視化アプリを使う(SBI証券・楽天証券の積立履歴で“増え方”を見てモチベ維持)
たとえば金価格が上がっても、焦って金ETFを買い足すと高値掴みになりやすいものです。
大切なのは、“ニュースに反応する”のではなく、“自分で決めた積立ルールに従って動く”こと。
この切り替えこそが、長期投資を成功へ導く最大のポイントです。
ここで紹介した見直しの考え方を実践する際は、
投資信託の選び方【2025年版】
もあわせて読むと、ファンド選定やリバランスの判断がより明確になります。
まとめ:1年経った今こそ“意図して続ける”投資へ
新NISAを始めて1年。積立が習慣になった今こそ、次のステップに進むときです。
これまでの成果を振り返りながら、「続けるための見直し」を意識していきましょう。
「続ける」だけでは守れないものがある
姉の旧NISAのように、放置したまま気づけば期限が迫っていた──そんなことが起きないように。
1年たった今こそ、自分の積立額や銘柄を見直し、「目的に沿って整える」ことで投資の軸が強くなります。
見直す=やめることではなく、守るための行動です。
相場に振り回されず、自分のペースを取り戻す
円安・株高・金高騰…ニュースが賑やかな時ほど、冷静さが価値になります。
積立記録を振り返り、「焦らず・慌てず・続ける」ことができていれば、それだけで十分に前進しています。
短期の波に一喜一憂せず、10年後に笑える投資を目指しましょう。
未来を意図して積み上げる
積立は“今日の判断”が“未来のあなた”をつくる行為です。
少しの見直しが、将来の安心につながります。
これからもデータに惑わされず、自分の目的に沿ったペースで投資を育てていきましょう。
1年続けられた時点で、すでに投資の才能があります。見直しは“やり直し”ではなく、“磨き直し”ですよ。
なるほど…!続けるだけじゃなく、少し立ち止まって確認することも大事なんですね。
そうそう。相場がどう動こうと、“自分の目的”を見失わなければ大丈夫。積立はあなたの未来の味方です。
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投資に関する免責事項
本記事は、筆者個人の経験や調査に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、
特定の金融商品・銘柄・投資行動を推奨するものではありません。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任と判断で行ってください。
また、本記事の内容は執筆時点の情報に基づいており、将来の成果や利益を保証するものではありません。
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