投資信託の分配金は再投資?受け取り?どっちがいい?10年で比較してみた

NISA

投資信託を選ぶときに「分配金あり・なし」「再投資・受け取り」など、いろんな言葉が出てきて迷ってしまう人は多いでしょう。
「現金でもらうのと、自動で再投資されるのって、どっちが得なの?」——この疑問、じつは10年後に意外な差を生むことがあります。

本記事では、初心者にもわかりやすく「分配金の仕組み」から、「受け取り型」と「再投資型」の違いを数字で比較。
さらに、税金やNISA口座での扱いも整理して、あなたに合った選び方を具体的に解説します。

10年後に「もっと早く知っておけばよかった」と後悔しないために、今のうちに一緒に確認しておきましょう。

投資信託の分配金とは?初心者にもわかる仕組み

投資信託を調べていると、「分配金あり」「分配金なし」「再投資型」といった言葉をよく見かけますよね。
でも、実際にそれが何を意味しているのか、ピンと来ない人も多いはずです。

分配金とは、かんたんに言えば投資信託が運用によって得た利益の一部を、投資家に分けてくれるお金のことです。
たとえばファンドが保有する株式から配当金を受け取ったり、債券の利息が入ったりしたときに、その一部が投資家に分配されます。

投資信託の分配金を理解するには、まず「投資信託そのものの仕組み」を押さえておくことが大切です。
基本の考え方は、投資信託の選び方|初心者が見るべき3つのポイント でも詳しく解説しています。

分配金の基本|「利益の一部を還元するお金」

もう少し具体的に見てみましょう。
投資信託は、投資家から集めたお金をもとに、株式・債券・REIT(不動産投資信託)などを運用しています。
運用で得られた利益のうち一部を、定期的に投資家へ分配する仕組みが「分配金」です。

分配金の支払い頻度はファンドによって異なり、毎月型・年2回型・年1回型などさまざま。
「毎月もらえるなら安心」と思うかもしれませんが、元本を削ってまで支払っている商品もあり、分配金の“原資”を確認することが大切です。

たとえば、同じ100万円を投資しても、分配金の多いファンドは手元に現金は増えるけれど基準価額(ファンドの値段)が下がることがあります。
逆に、分配金を出さずに内部で再投資しているファンドは、見た目の利益は出ていなくても、長期的には資産全体が増えていく傾向があります。

「受け取り型」と「再投資型」の違いをざっくり解説

分配金をどう扱うかで、「受け取り型」と「再投資型」に分かれます。
これが投資信託を選ぶ上で、もっとも大きな分かれ道といっても過言ではありません。

  • 受け取り型:分配金をそのまま現金として口座に受け取るタイプ
    → 使い道が自由で、生活費や旅行資金に回すことも可能。
  • 再投資型:分配金を使って自動的に同じ投資信託を買い増すタイプ
    → 受け取らずに再び運用へ回すことで、複利の効果が働く。

どちらも一長一短がありますが、長期運用では再投資型の方が「利益に利益がつく」構造になり、10年・20年と続けると思った以上に大きな差が出ます。

初心者のうちは「毎月お金がもらえるほうがお得」と感じがちですが、実際は手元に現金をもらうか、将来の利益を増やすかの違いです。
この違いを知っておくだけで、投資信託の選び方がぐっと賢くなります。

分配金ってボーナスみたいなもの?

いや、実はちょっと違うんだぷく。元本を取り崩してる場合もあるから注意が必要なんだぷく。


「受け取り型」と「再投資型」を数字で比較してみよう

「どっちが得?」という疑問には、やっぱり数字で比べるのが一番わかりやすいです。
ここでは100万円を年利4%で10年間運用した場合をシミュレーションして、再投資あり・なしでどれほどの差が生まれるかを見ていきましょう。

10年でどれくらい差が出る?【再投資シミュレーション】

項目受け取り型再投資型
元本100万円100万円
年利4%(単利)4%(複利)
運用期間10年10年
最終資産140万円148万円
差額+約8万円(約5.7%増)

シンプルに見ると同じ利回りでも、再投資型では「利益にもさらに利益がつく」複利効果が働きます。
10年後にはおよそ8万円以上の差が出るケースもあります。

受け取り型再投資型差額
初年度100万円(+4万円受取)100万円 → 104万円0円
2年目100万円(+4万円受取)104万円 → 108.16万円+0.16万円
3年目100万円(+4万円受取)108.16万円 → 112.49万円+0.49万円
4年目100万円(+4万円受取)112.49万円 → 116.99万円+0.99万円
5年目100万円(+4万円受取)116.99万円 → 121.67万円+1.67万円
6年目100万円(+4万円受取)121.67万円 → 126.54万円+2.54万円
7年目100万円(+4万円受取)126.54万円 → 131.60万円+3.60万円
8年目100万円(+4万円受取)131.60万円 → 136.87万円+4.87万円
9年目100万円(+4万円受取)136.87万円 → 142.35万円+6.35万円
10年目100万円(+4万円受取)142.35万円 → 148.02万円+8.02万円

10年でこんなに差が出るの!?

そうなんだぷく。チリツモが効くんだぷく。

分配金を受け取る場合のメリット・デメリット

受け取り型は、定期的に現金が入ってくるため「安心感」があります。
特に退職後や副収入として生活費の一部に充てたい人に向いています。

ただし、課税口座(特定口座など)で運用している場合は、分配金を受け取るたびに約20%の税金(所得税+住民税)が引かれます。
そのため、長期的に見ると税金ロスが積み重なりやすい
のがデメリットです。

一方、新NISA口座であれば分配金にも税金はかかりません。
ただし、受け取り型では、いったん受け取った分配金を再投資に回すと、その分も新しい非課税枠を使うことになります。
枠を効率よく使いたい人は、再投資型のほうが向いています。

また、分配金を受け取ることで再投資のチャンスを逃し、複利の恩恵が弱まる点にも注意が必要です。
短期的な安心よりも、長期での資産成長を重視する人は、再投資型の仕組みを理解しておくと良いでしょう。

再投資型のメリット・デメリット

再投資型の最大の魅力は、やはり複利効果の最大化です。
分配金が出るたびに自動で同じ投資信託を買い増してくれるため、放置していても「利益が利益を生む」仕組みが働きます。
特に10年以上の長期投資では、この複利の力が雪だるまのように効いてきます。

また、新NISA口座で再投資型を選ぶと、分配金も非課税のまま運用に回せるため、税制面でも非常に有利です。
一方で、手元に現金が入らないため「実感しづらい」「途中でやる気が落ちる」と感じる人もいます。

それでも、時間を味方につけられるのが再投資型の強み
20代〜40代の長期積立では、この仕組みを上手に活かすことで着実に資産形成を進めることができます。


税金・NISA口座での扱いにも違いがある

投資信託の分配金は、「どの口座で運用しているか」によって税金の扱いが変わります。
ここを正しく理解しておかないと、思わぬ課税や非課税枠のムダ使いにつながることも。
課税口座と新NISA口座、それぞれの違いを整理しておきましょう。

課税口座では「再投資型のほうが有利」な理由

まず、特定口座や一般口座などの課税口座で運用している場合です。
この場合、分配金を受け取るたびに約20.315%(所得税+住民税)が自動的に源泉徴収されます。

つまり「受け取り型」だと、分配金をもらうたびに税金が引かれてしまい、複利効果が働きにくくなるのです。

一方、「再投資型」では分配金を受け取らず、そのまま自動的に同じファンドへ再投資されます。
このときは新たな課税は発生せず、最終的に売却して利益が確定した時点で一度だけ課税されます。
そのため、税金を先延ばしにでき、運用効率が高まるというわけです。

同じ4%でも、受け取るたびに税金が引かれたら損だね。

再投資型なら税金を後回しにできるから、その分お金が育ちやすいんだ。

💡参考:金融庁「投資信託の分配金について」23ページ

新NISAで分配金を受け取るときの注意点

つぎに、新NISA(2024年以降の非課税制度)の場合を見てみましょう。

新NISA口座内での運用は、分配金も含めて非課税です。
つまり、受け取り型でも再投資型でも、分配金に対して税金はかかりません。

ただし、仕組み上の違いとして、

  • 「受け取り型」を選ぶと、分配金を現金で受け取った時点で非課税枠の一部を使い切る
  • 「再投資型」は分配金がそのまま運用に回るため、非課税枠をフル活用できる

という差が生まれます。

また、再投資型なら受け取った分を再投資しても非課税枠を圧迫しないため、長期的に見れば運用効率が上がります。
そのため、新NISAを使う場合は「再投資型」を選んでおく方が合理的といえるでしょう。


こんな人は「受け取り型」がおすすめ

定年後や生活費の一部にしたい人

現役を引退したあとは、毎月の給与のような「安定収入」がなくなります。
そんな中で、投資信託の分配金を定期的な生活費の足しとして受け取れるのは安心感があります。
たとえば、1000万円を年利3%で運用していれば、年間30万円前後の分配金を得られる計算です。

このように、預貯金の利息よりも高い“おこづかい感覚”で使えるのが受け取り型の強みです。
毎月や半年ごとにお金が振り込まれるため、家計簿をつけている人にとっても収支管理がしやすいというメリットがあります。
定年後に「年金+分配金」という二本立ての仕組みをつくることで、生活のゆとりを感じる人も多いです。

投資の利益を実感してモチベを保ちたい人

長期投資では“続けること”が一番大切です。
でも、資産が増えるのは数字上だけだと、なかなか実感が湧きにくいもの。

その点、受け取り型なら分配金が口座に入るたびに「ちゃんと増えてる」と感じられます。
この“小さな達成感”が、投資を続けるモチベーションにつながります。

特に初心者のうちは、再投資型よりもお金の流れを肌で感じられる受け取り型の方が安心という声も多いです。
「まずはお金の動きを実感してみたい」「数字だけより手元に入る方がうれしい」——そんな人にぴったりです。


こんな人は「再投資型」がおすすめ

20代〜40代で長期積立を考えている人

若いうちは“時間”という最大の味方があります。
仮に月1万円を年利4%で30年間、再投資しながら積み立てた場合、
元本360万円に対して最終的な資産は約695万円まで増えます。

同じ額を受け取り型にした場合、毎年の分配金を使ってしまうため、複利の効果が働きません。
結果、数十年後の差は数十万円〜数百万円になることもあります。

つまり、「時間をかけてお金を増やす力」=再投資の本質です。
若い世代ほど再投資型を選ぶことで、老後資金やマイホーム資金などの長期目標を効率よく達成しやすくなります。

複利効果を最大化したい人

再投資型の最大の魅力は、“利益が次の利益を生む”複利の力です。
たとえば、100万円を年4%で運用すると、1年後は104万円。
その次の年は104万円に対して4%がつくため、利益は4万円ではなく4万1,600円になります。
このわずかな上乗せが、年を重ねるごとにどんどん膨らんでいくのです。

10年・20年・30年と続ければ、最初は小さかった差が雪だるまのようにふくらみ、
「再投資しない人」と「再投資する人」とでは最終的に何十万円もの差になります。

さらに再投資型なら、分配金をもらうたびに再購入の手間もなく、自動で複利運用できるのも魅力。
「放置していても資産が増える仕組み」をつくれるのが、再投資型の最大の利点です。


まとめ|結論は「再投資型」が有利。でも“目的次第”で変わる

数字だけで見れば、10年・20年と続けたときに再投資型の方が明らかに有利です。
複利の力によって、同じ利回りでも最終的な資産額が数万円〜数十万円変わってきます。

しかし、投資の目的は人それぞれ。
「今の生活を少しラクにしたい人」と「将来の資産をじっくり育てたい人」では、選ぶべきタイプが異なります。
つまり、“どちらが得か”ではなく“どちらが自分に合うか”がポイントです。

目的別に選べば失敗しない

投資信託の分配金の扱いは、目的から逆算して選ぶのがコツです。

  • 老後の生活費にあてたい → 「受け取り型」で安心感を重視
  • 教育資金・老後資金をコツコツ育てたい → 「再投資型」で複利を最大化

一律に「どっちが得」とは言い切れません。
大切なのは、自分がどんなライフステージにいるか、そしてお金をいつ使いたいのかを明確にすることです。

たとえば、30代までは再投資型で資産を育て、50代以降は受け取り型に変えるという“ハイブリッド運用”も有効です。
これなら複利の恩恵も受けつつ、後半は現金化の安心感も得られます。

最初は再投資型でスタートして、途中で切り替えるのもアリ

最近の証券会社では、マイページ上で分配金の扱いを変更できるサービスが増えています。
たとえば、再投資型から受け取り型への変更も、数クリックで完了できるケースがほとんど。

この柔軟性を活かせば、

  • 若いうちは再投資で資産を育てる
  • 生活にゆとりが欲しい時期から受け取りに切り替える
    といった使い分けができます。

「最初から完璧な選択をする必要はない」という安心感を持つことが、長く投資を続けるコツです。

途中で変えられるなら、安心して始められるね!

最初から完璧じゃなくていい、続けながら、自分に合う形を見つけていけばいいんだよ。


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投資に関する留意事項

本記事は、筆者の体験や一般的な情報に基づき執筆したものであり、特定の金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
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