高配当株の始め方|減配リスクを避ける銘柄選びの基本【保存版】

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はじめに

高配当株投資が注目される背景

私たち夫婦も「銀行預金ではお金が増えない」と感じ、3年前から高配当株を調べ始めました。
高配当株投資が注目されている理由の一つは、日本の低金利環境です。銀行に預けても利息はほとんどつかず、将来の資産形成には不安が残ります。その中で、株式を持つことで配当金という「定期的な収入」が得られる点が魅力になっています。

また、日本企業は株主還元を強化する動きが強まっており、2023年には東京証券取引所が「ROE(自己資本利益率)の向上」や「株主還元の充実」を企業に求める改革を行いました。これにより、高配当株への投資を考える個人投資家が増えています。

さらに、配当金は株価と違い短期的な変動を気にせず受け取れるため、心理的な安心感を持ちやすい点も人気の理由です。ただし、高配当株にはメリットと同時にリスクも存在します。

高配当株って人気があるけど、安易に飛びつくのは危ないんだよ。

えっ?配当が高いなら得するだけじゃないんですか?

こうした誤解を避けるためにも、注意点をしっかり理解してから始めることが大切です。


投資初心者が知っておくべき注意点

高配当株投資は「配当利回りが高い=お得」と単純に考えがちですが、実際はそうではありません。たとえば、株価が急落して配当利回りが一時的に高く見えているだけの場合、その企業には業績不振や将来の減配リスクが潜んでいる可能性があります。

初心者がまず意識すべき注意点は以下の通りです。

  • 減配・無配のリスク:企業の利益が減ると、配当が減額されることがある。
  • 株価下落のリスク:配当を受け取っても、株価下落でトータル損失になる可能性がある。
  • 分散投資の重要性:特定の銘柄だけに投資するとリスクが集中してしまう。

私たちも初めは「配当利回り5%以上」という条件だけで選びそうになりましたが、調べていくうちに「高すぎる利回りは危険信号」と学びました。実際、財務が弱い企業は減配を繰り返すケースもあります。

まずは「利回りだけで選ばない」という視点を持つことが、高配当株投資を長く続けるための第一歩となります。


高配当株とは?基礎知識を整理

配当利回りの計算方法と目安

私たち夫婦が最初に高配当株を調べたとき、「配当利回りってどうやって計算するの?」と戸惑いました。実は計算はとてもシンプルです。

配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金 ÷ 株価 × 100

たとえば、株価1,000円の会社が年間50円の配当を出していれば、利回りは「50 ÷ 1000 × 100=5%」となります。

一般的には、

  • 日本株では3〜4%程度が「やや高配当
  • 5%以上は「高配当」とされます

ただし、利回りが高すぎる場合は注意が必要です。先ほども説明しましたが、株価が大きく下落したために利回りが一時的に高く見えているケースがあり、その背景には業績悪化などのリスクが隠れていることもあります。

また、企業によって配当の支払い回数は年1回や2回など異なります。証券会社のサイトや四季報、企業のIRページを確認すれば、直近の配当実績を知ることができます。

ここで重要なのは「利回りは目安にすぎない」ということです。投資判断では、財務状況や業績の安定性もあわせて確認する必要があります。


減配や無配のリスクについて

私たちが投資を始めてから1年目、利回り4.5%で魅力的だと思った銘柄が、翌年に減配を発表しました。そのとき「配当がずっと続くとは限らない」と実感しました。

金融庁も「企業の利益が減れば配当は減少する可能性がある」と注意を呼びかけています(出典:金融庁)。減配や無配の原因には以下のようなものがあります。

  • 業績不振:売上や利益の減少により、株主への還元余力が減る。
  • 財務の悪化:借金が多く、返済を優先する必要がある。
  • 政策変更:企業が内部留保や設備投資を優先する場合、配当を減らす。

このように、配当は企業の状況によって変動するため「安定しているかどうか」を見極めることが重要です。

こちらの記事で解説している 資産運用とは?初心者が失敗しないための基本 を読むと、リスク管理の基本が理解しやすくなります。

高配当株は“毎年同じ額が必ずもらえる年金”ではないんだ

なるほど…会社の成績しだいで変わるんですね

このように、配当金は保証されたものではなく「企業の成長とともに得られる収益」と考えるのが現実的です。


減配リスクを避ける銘柄選びの基本

財務体質が安定している企業を見極める

私たち夫婦が初めて高配当株を選ぶときに学んだのは「財務の安定性が大事」という点でした。いくら配当利回りが高くても、借金だらけの企業では将来の配当が不安定になりやすいからです。

安定した財務体質を見極めるための指標には、以下のようなものがあります。

  • 自己資本比率:40%以上あると安定的とされやすい
  • 有利子負債比率:借金が少ないほど安心
  • 現金・預金の保有額:手元資金が多ければ配当余力が高い

例えば、電力会社や通信会社のようなインフラ関連企業は安定した収益基盤を持ち、比較的財務も堅固であることが多いです。反対に、景気に左右されやすい業種では、業績が悪化するとすぐに減配のリスクが高まります。

財務の健全性を確認することで、長期的に安定した配当を受け取れる可能性を高めることができます。


業績や配当性向から見る持続可能性

配当が続くかどうかを判断するには、企業の「業績」と「配当性向」を見ることが大切です。

配当性向(%)= 配当総額 ÷ 純利益 × 100

一般的に、配当性向が30〜50%であれば「無理のない範囲で還元している」と考えられます。逆に80%を超えると「利益のほとんどを配当に回している」状態で、業績が少し悪化しただけでも減配に追い込まれる可能性が高まります。

私たちも銘柄選びでは「過去5年の業績」と「配当性向の推移」を必ず確認しています。安定して利益を出している企業は、景気変動の中でも配当を維持しやすい傾向があります。

また、業績や配当性向のデータは証券会社のサイトや決算資料から無料で確認できます。初心者にとっては難しく感じるかもしれませんが、まずは「利益が安定しているかどうか」だけでも見る習慣をつけると安心です。


実際に選んだ銘柄と利回りの体験談

私たち夫婦は、最初から個別株一本ではなく、入金月をずらす配当カレンダー分散を意識しました。具体的には、

  • 国内の高配当ETFを毎月積み立て(成長投資枠)、
  • 個別では通信・食品・エネルギーの3業界から1社ずつを少額で保有、
    という組み合わせにしました。

初年度は合計40万円を投じ、うち25万円をETF、15万円を個別3社へ。購入時点の想定平均配当利回りは税引前で約4.1%、年合計の受取見込みは約16,400円でした。実際の入金は3月・6月・9月・12月にばらけ、家計のキャッシュフロー管理がしやすくなったのが予想外のメリットです。

受取の想定例メモ
3月ETF分配金Aベース配当(再投資/生活費補填を選択可)
6月通信株の中間配当ディフェンシブ収益で安定度UP
9月ETF分配金B指数系で読みにくさ低減
12月食品/エネルギーの期末配当景気感応度の違いでバランス

翌年はボーナス時にETFを追加で10万円買い増し。ETFは分配方針が明確で、個別よりも予想が立てやすく心理的負担が小さいと感じました。一方で、個別株は食品企業が原材料価格上昇の影響で業績が重く、増配は見送り。ここで学んだのは、

  1. ETFでベース配当を作り、個別で上振れを狙う設計が続けやすいこと、
  2. 入金月の分散がメンタルの安定に効くこと、
    の2点でした。

配当の入金月を分散”は、利回りだけ見ていると見落としがち。家計の追い風を設計できるのが強みです。

銘柄選びの参考に 投資用語10選|初心者向け保存版 をチェックすると理解が進みやすいでしょう。


高配当株投資の始め方ステップ

証券口座の開設と必要な手続き

高配当株投資を始めるには、まず証券口座を開設する必要があります。私たち夫婦も最初に取り組んだのがこのステップでした。

証券口座の開設は、銀行口座を作るのと同じくらい簡単です。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 証券会社の公式サイトから申し込み
  2. 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)の提出
  3. 数日で審査が完了し、口座開設通知が届く
  4. インターネットからログインして入金すれば取引が可能

特に、NISA口座を同時に申し込んでおくと税制上のメリットを享受できます。配当金や売却益が非課税になるため、高配当株投資を長期的に行うには有利です。

関連記事で詳しく解説している 積立NISAの始め方 を参考にすると、初心者でもスムーズに進められるでしょう。


少額から分散投資で始める方法

証券口座を開設したら、次に考えるべきは「どのくらいの金額から始めるか」です。私たちは最初から大金を入れず、10万円ずつを複数の銘柄に分散しました。

高配当株は1株単位で購入できる「単元未満株サービス」や「株式ミニ投資」を利用すれば、数千円から始められます。例えば、株価2,000円の企業を1株だけ買うことも可能です。

分散投資のポイントは以下の通りです。

  • 業種を分ける(通信、銀行、食品など)
  • 資金を分ける(30万円を3銘柄に分けるなど)
  • 時間を分ける(数か月に1回ずつ購入するなど)

こうすることで、万が一1つの銘柄が減配しても全体への影響を抑えることができます。

こちらの記事で紹介している 資産運用とは?初心者が失敗しないための基本 を読んでおくと、分散の大切さが理解しやすくなります。


最初に買った銘柄と資金配分の体験談

最初の一歩は、一度に大金を入れないことをルールにしました。スタート資金は合計30万円

  • 第一回(10万円):ディフェンシブ色の強いインフラ関連株を購入(利回り想定3.6%)。
  • 第二回(10万円)金融株を買付(利回り想定4.2%)。
  • 第三回(10万円):株価が一段安になったタイミングで、第一回と同じインフラ株を買い増し

結果、第一回よりも低い株価で第三回を入れられたため、平均取得単価は約3.5%低下。税引前ベースのポートフォリオ利回りは3.9%→4.1%へ小幅改善しました。配当総額そのものは大きくありませんが、値動きのブレを“時間で分散”できた手応えがありました。

一方で反省は、第二回の金融株。権利確定直前に買い、その後の権利落ちで株価が素直に下落。配当分を相殺する形で含み損が出ました。この経験から、

  • 権利日前の駆け込みは避ける
  • 買付は数回に分けて平均取得単価を管理する、
    という実務ルールを明確化。いまは月3万円の定額入金+市況に応じた小幅加算という運用フローに落ち着いています。

最新の配当制度の動き

税制や配当課税の最新ルール

高配当株を持つと配当金が入ってきますが、そのまま全額を受け取れるわけではありません。税金が差し引かれる仕組みを理解しておくことが大切です。

2025年9月時点では、上場株式の配当金には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります(出典:金融庁)。たとえば配当金が10,000円なら、実際に手元に残るのは約7,969円です。

税引前配当税率税額手取り(概算)
10,000円20.315%2,031円7,969円
30,000円20.315%6,095円23,905円
50,000円20.315%10,158円39,842円

一方で、NISA口座を利用すれば配当金が非課税になります。2024年から始まった新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用でき、年間最大360万円まで非課税投資が可能です。高配当株は成長投資枠で購入できるため、長期投資と相性が良い制度となっています。

私たち夫婦も2024年から新NISAを使い、年間40万円ほどを高配当株に充てています。税金が引かれずに配当を受け取れるため、実際の手取り額が増えたのを実感しました。


最近の高配当銘柄ランキング傾向

高配当株を探すとき、多くの人が「ランキング」を参考にします。最近の傾向としては、以下のような業種が上位に並ぶことが多いです。

  • 通信会社(安定した契約収入がある)
  • 銀行・保険(利ざや改善で利益が回復傾向)
  • 商社(資源価格や世界経済の影響を受けやすいが配当は高め)

ただし、ランキング上位だからといって必ず安心ではありません。利回りが高すぎる場合は株価下落や一時的な要因が背景にあるケースもあるため、注意が必要です。

YAHOO!ファイナンス日本株ランキング を確認すると、具体的な銘柄と利回りのデータを比較できます。

ランキングは参考になるけど、“そのまま買うリスト”じゃないんだよ

なるほど!数字の裏にある理由を見ないと危ないんですね

このように、ランキングはあくまで入り口にして、必ず財務や業績も併せて確認することが重要です。


よくある質問(FAQ)

高配当株はいつ買うのが良いですか?

私たち夫婦も最初に悩んだのが「買うタイミング」でした。結論から言えば、完璧な買い時を狙うのは難しいため、焦らず少しずつ買うのがおすすめです。

株価は日々動きますが、配当は1年単位で支払われるため、短期的な値動きに振り回されすぎる必要はありません。むしろ、株価が下がったときに利回りが高くなることもあります。

よくある考え方としては:

  • 権利確定日直前ではなく、数か月前に買う直前は株価が上がりやすい
  • 毎月や数か月に分けて投資する(ドルコスト平均法のように平均購入価格をならす)
  • 長期的に業績が安定している企業を選ぶ

私たちは最初の半年で3回に分けて購入しました。その結果、1回だけ高値掴みをしましたが、他の回で安く買えたため、平均購入価格を抑えることができました。


減配発表があったらすぐ売るべきですか?

「減配」と聞くと不安になりますが、必ずしもすぐ売る必要はありません。大事なのは理由を見極めることです。

例えば、

  • 一時的な設備投資のために減配した → 将来の成長投資なら前向き
  • 業績悪化で利益が大幅に減った → 今後も配当が続くか不透明

このように、背景によって判断は異なります。私たちも過去に銀行株で減配を経験しましたが、財務が健全で将来的な回復が見込めたため、そのまま保有しました。結果的に2年後には配当が増配に戻り、売らなくてよかったと感じました。

判断に迷うときは、会社の決算説明資料やIR情報を確認するのが有効です。また、複数銘柄に分散していれば、1社の減配が全体に与える影響は限定的です。

積立NISAの始め方|初心者でも簡単にできるやり方 を読んでみると、分散の重要性をさらに理解できます。


まとめ

高配当株投資の基本とリスク管理の重要性

私たち夫婦が高配当株を始めて一番感じたのは「配当は魅力的だが、リスク管理が欠かせない」という点です。

高配当株投資の基本は以下の通りです。

  • 利回りだけで選ばない:財務や業績も確認する
  • 分散投資を心がける:複数銘柄・複数業種に投資する
  • 長期保有を前提にする:短期的な株価変動に左右されない

また、減配リスクを避けるには、財務体質や配当性向をしっかり見ることが大切です。特に初心者は「安定して利益を出している企業」を選ぶことで安心感が増します。

投資用語10選【PART2】 を合わせて読むと、基本知識がさらに理解しやすくなります。


長期投資で安定した収益を目指す視点

高配当株投資は、短期的に大きな利益を狙うものではなく、コツコツと配当金を積み上げていく投資です。長期で見れば、配当金の積み重ねは将来の安定した収益につながります。

私たちも3年間続けてきて、配当金が合計で6万円を超えました。大きな額ではありませんが、「お金が働いてくれている」実感が得られるのは大きな励みです。

高配当株は“育てる投資”だよ。木を植えて育てるイメージだね

なるほど!すぐに実がならなくても、水やりを続けると大きく育つんですね

このように、焦らず長期的な視点を持つことが、安定した資産形成への近道です。


投資に関する免責事項

本記事の情報の位置づけについて

本記事で紹介した内容は、私たち夫婦が実際に経験した高配当株投資や、公的機関の公開データをもとにまとめた一般的な情報です。したがって、特定の銘柄や金融商品の購入を勧めるものではありません。

投資に関する情報は日々変化します。最新の制度や税制については、金融庁や証券会社の公式ページを確認するようにしてください。記事内で紹介した内容も、将来的に変更となる可能性があります。


投資判断は自己責任で行うことについて

高配当株投資には魅力がありますが、同時にリスクも伴います。株価の下落や減配、さらには無配となる場合もあるため、必ず余裕資金で行うことが大切です。

投資の最終的な判断は、読者ご自身の責任で行ってください。私たちも夫婦で話し合い、リスクを理解したうえで資金配分を決めています。

金融庁も「投資におけるリスクは避けられないため、分散や長期投資が重要」と呼びかけています(出典:金融庁)。その点を理解したうえで、ご自身に合ったスタイルを見つけてください。

最後に、私たちが学んだ一番の教訓は「情報をうのみにせず、自分で調べて考えること」です。この姿勢が、投資を長く続けるための最大のリスク管理だと感じています。

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